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- 飯山市の国際交流員として飯山市役所に勤務するキャロリン・ポスナーさん。母国・アメリカのボストン大学と京都の同志社大学で日本語を勉強し、2011年の夏に飯山市にやってきました。今回は日本の運転免許も持つキャロリンと一緒に、北信濃の温泉をドライブで巡ります。
- SO MACH SNOW!!～ここは日本最高積雪地点～飯山市のお隣り・栄村は世界有数の豪雪地帯。JR飯山線森宮野原駅では、昭和20年2月12日に日本最高の7m85cmの積雪が観測されました。昨年飯山にやってきて、冬の豪雪をこれでもかとばかりに体験したキャロリンも、この積雪量にはびっくり！
- 長野県最北端に位置するJR飯山線森宮野原駅。かつては、昭和20（1945）年2月12日に記録した7m85cmの積雪を記録を示すメジャーがホーム端に立てられていましたが、1990年1月、構内に新たにJR日本最高積雪地点を示す標柱が設置されました。
- 長野・新潟県境付近に位置する、国道117号線沿いの「道の駅 信越さかえ」。地元や近隣市町村で採れた農林産物、郷土食、手工芸品などを販売。
- STOPPING BY A
ROADSIDE STATION ～県境の道の駅に立ち寄ります～日本一の大河、千曲川が信濃川と名を変える長野・新潟県境の橋のたもとにある道の駅。季節ごとの地元農林産物をはじめ、漬物や地元工芸品などの土産品、地場産物を販売しています。ここでのお目当ては、おやきに似た郷土食・あんぼ（150円）を食べること。皮に米粉を使っているので、もちもちとした食感です。
北信州の古民家風の物産館では、地元産の原木なめこを売っていました。「なめこはみそ汁に入ったものを食べたことがあるけど、こんなに大きいのは初めて見た！」と驚くキャロリン。肉厚で大粒のなめこは、色が濃く、つるんとしたぬめりがあり、歯ごたえもしっかりしています。 - 古民家風の物産館の前で、この日は、秋の味覚・きのこのなかでも地元産の原木なめこのほか、地元産の野菜、須坂市のりんごを販売していました。9～18時（食堂は9時30分～17時）火曜定休（祝日の場合は翌日）TEL0269-87-3180
- TRAVELING ARONG QUIET BACKROADS ～錦秋なす秘境をドライブ～信濃川の支流・中津川上流域に点在する長野県と新潟県にまたがる峡谷地帯「秋山郷」。平家の落人が住み着いたと伝説の残る山里で、鳥甲山（2038m）と苗場山（2145m）にはさまれた急峻な峡谷と深い雪に阻まれて開発が遅れ、昔ながらの生活様式が色濃く残る秘境です。自然とともに生きる先人たちの知恵が、伝統工芸や郷土食として今に伝わります。また、紅葉の名所としても名を馳せ、黄色に色づくブナのなかにナラやカエデ、ウルシなどの赤やオレンジの紅葉がひときわ引き立ち、まさに錦秋といった趣が漂います。
- 入口の新潟県津南町見玉集落から最奥部の長野県栄村切明まで、全12集落、全長25kmの秋山郷。 江戸時代には、新潟県塩沢出身の文人・鈴木牧之が「桃源郷」と称して、その自然や風習の魅力を世に広めました。
- 秋山郷は冬季は豪雪に閉ざされるため、手工芸品が盛んに作られています。そのひとつが「猫つぐら」。わらを1本1本丁寧に編んで作った猫用の寝床で、この地を代表する人気の伝統民芸品です。写真のものは中型の大きさで1万8000円。
- 前倉集落の前倉橋は、紅葉を求めて多くの観光客が訪れるスポットのひとつ。峡谷と岩肌、紅葉の木々、そして青い空のコントラストが見事です。
- 大胆にも岩壁に生える大木に横になるキャロリン。見ているこちらがドキドキしますが「大丈夫！」と余裕の笑顔です。しかし、この木の下は谷底で……。それにしても、キャロリンが写ると、とたんに異国の大自然にいるような写真になりますね。
- TAKING A DIP IN THE “RED” HOT SPRING！ ～鉄分豊富な赤い温泉に入ります～日本百名山・苗場山の西の登山口にある小赤沢温泉は、鉄分を多く含んでいるのでお湯が濃い赤褐色をしています。湯船に浸かると肩から下は見えなくなり、白いタオルを浸すとすぐに茶色に変色してしまうほど。「こんな色の温泉は初めて！」とキャロリンも驚きます。ぬるめのお湯はじっくり浸かることができ、じわじわと体が暖まるのがわかります。
- 小赤沢温泉の村営保養所・楽養館。鉄分を多く含む濃い赤褐色の湯で、白いタオルは茶色く変色してしまうので要注意。疲労回復、皮膚病、アトピー、婦人病、痔疾などの効能があります。9時半～18時、食堂営業時間10時半～16時、水曜定休（7、8、10月は無休）、11月中旬～4月下旬休業、大人500円、子ども200円、TEL025-767-2297
- 村営の保養所・楽養館のご主人のお話ですと、このお湯は実は湧出口では無色透明で、浴槽内で酸化して赤褐色になるのだとか。一般療養泉基準の倍以上という高濃度を誇り、疲れた身体をほぐして痛みを和らげる効果は抜群だそう。
温泉に入ったら、お腹が空いてきました。ちょうどお昼の時間。近くの秋山木工生産組合の3階にある食堂「平家の釜飯どん」を訪ねます。ここの自慢料理は、囲炉裏で焼く岩魚の炭火焼き（500円）と郷土料理の早そば（800円）。早そばとはゆでた千切り大根に水溶きそば粉をからめたもので、その名の通り簡単に短時間でできる日常食。全国的にも珍しい郷土食とされ、長野県選択無形民俗文化財として大切に伝承されています。 - 温泉の成分が濃すぎるため、浴槽には分厚く固まった鉄分が付着している様子が見られます。この成分が湧出口で固まって詰まるのを防ぐため、パイプ口の塊は頻繁に取り除く必要があるのだとか。ご主人がその塊を見せてくれました。
- 秋山木工生産組合3階の食堂「平家の釜飯どん」。名物の岩魚の炭火焼きは、囲炉裏で丁寧に焼かれて作られています。8～17時、無休（12～4月中旬は休業）、TEL0257-67-2210
- この食堂の1階では秋山木工生産組合の木工芸品の展示販売されています。長野県の伝統的工芸品に指定されている手彫りの「秋山木鉢」や山ぶどう製品、自然木座卓、火鉢、花台などは、いずれも1年の半分はすっぽりと雪におおわれる生活のなかで生まれた技で創作されてきたものです。こちらの制作現場は見学も可能とのことで、近くの工房を訪ねると、乾燥した山ぶどうのつるを水に浸してやわらかくし、編みやすい細さのひごにして、丁寧に編み込まれているところでした。
- ゆでた千切り大根に水溶きそば粉をからめた早そば。食感はやわらかくもったりとしたそばがきのようで、大根のシャキシャキした歯ごたえがアクセントになっておいしい！ きのこや錦糸卵、紅ショウガ、ネギなど、具材や薬味もたくさん入ってボリュームたっぷりです。
- 岩魚の炭火焼きをガブリ。どうやら岩魚はアメリカでもよく食べるそうです。このほかにも地元食材を生かした釜飯や、季節の食材を生かした数々のメニューが楽しめます。
- 山ぶどうのつるを使ったバッグや伝統的工芸品の秋山木鉢、猫つぐらなどを制作する、秋山木工生産組合の工房。展示販売場所から少し離れたところにあります。ちょうどいまは山ぶどうのバッグを作っているところでした。つるを乾燥させた後、水に戻し、なめしてひごを作ってから丁寧に編むという手間ひまかけて作られた製品は、デザインや模様も多彩で、多くの人を魅了します。
- DIGGING FOR HOT SPRINGS!～川原で温泉を掘る！～秋山郷の最奥に位置する切明集落は、中津川の川原（左岸）のあちこちに温泉が湧出しており、河床を掘ることで、野湯として天然の露天風呂を楽しむことができます。川の水を触ってみると、湧出口は温かいのですぐに判明。目処をつけ、シャベルを使って地道に掘り続け……。
キャロリンも無事温泉に浸かることができました。大自然のなかで自作の露天風呂が堪能できるなんて、まさに秘湯の醍醐味。とはいえ実際、秋は気温が低いため、体験は夏がおすすめ。また360度開けた野趣あふれる温泉なので、水着の着用を。 - 中津川左岸で温泉湧出口を探し当て、ひたすら掘る！ 川沿いの村営宿泊施設・雄川閣では、掘削のためのシャベルを無料で貸し出しています。また雄川閣は日帰り入浴も可なので、川原の温泉と入り比べてみるのも良いかも。
10時30分～18時、大人500円・子ども300円、TEL 025-767-2252 - 見事、野趣あふれる露天風呂を掘削！ 湧出温度は50℃以上なので、川の水を引き込みながら、適温に調節して入浴します。キャロリンもご満悦です。
