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秋といえば、一年の中で最もサイクリングに適した季節。
春の花粉や黄砂、夏の熱中症などの心配もなく、穏やかな日差しと澄んだ空気に包まれながら、自転車に乗るだけで季節の移ろいを全身で感じることができるでしょう。
里山の紅葉をのんびりと楽しむ秋のサイクリングは、飯山に来たらぜひ体験してほしいアクティビティのひとつ。
なかでも、普段あまり自転車に乗らない方におすすめしたいのが「飯山線サイクルトレインプラン」。自転車を分解せずに、そのまま車内に持ち込めるプランなので、サイクリングは片道だけでOK。気軽に自転車旅が楽しめるのです。
今回は、そんなサイクルトレインを使った秋のおすすめサイクリングルートをご紹介します。
「サイクルトレインは気になっているけど、どうやって使えばいいのかイマイチわからない……」という方、必見! サイクルトレインの使い方はもちろん、寄り道にぴったりなお店や、自転車でアクセスするのにピッタリな紅葉スポットなど、見どころ満載でお届けします。
GO!GO!千曲川 飯山線サイクルトレインプラン2025
期間:2025/4/1(火)〜11/24(月・祝)
※ゴールデンウィーク期間(4/29~5/6)は対象外のためサイクルトレインは利用できません。
9:30 飯山駅を出発

飯山線サイクルトレインプランを利用する際には「信越自然郷アクティビティセンター」のWEBサイトでご予約を。
当日、飯山駅1階にある信越自然郷アクティビティセンターにて受付後、相棒となる自転車のレクチャーを受けます。
基本的に本プランでのレンタサイクルは、電動アシスト付きの「E-bike」。電動による力強いサポートで坂道でも楽々と上ることができるので、シティサイクルよりも疲れにくく長距離も快適に走行できます。
今回は、コンパクトな車体で小回りが利く「ミニベロタイプ」で出発進行!
10:00 奥信濃 BUNZOに立ち寄り

飯山駅から市街地を抜け、国道117号沿いにある「奥信濃BUNZO」で立ち寄りを。
ここは生チョコの“生みの親”として知られる小林正和シェフによるチョコレート店。
創業から変わらぬレシピで、今も手作りし続けている生チョコを中心に、ケーキや焼き菓子などさまざまな洋菓子が揃います。

実は、この飯山線サイクルトレインプランはお得なグルメクーポン付き。
飯山市、中野市、栄村、野沢温泉村など、飯山線の沿線沿いでおすすめのお店を中心にピックアップされた「グルメクーポン提携店」で利用可能です。
こちらの奥信濃BUNZOも提携店。グルメクーポンを利用してお得に「コーヒー&生チョコセット」をテイクアウトしました。
提携店は信越自然郷アクティビティセンターのWebサイトから確認できるのであらかじめチェックしておきましょう。
10:10 千曲川公園で休憩

奥信濃BUNZOから北に約80m、徒歩1分ほどで到着する「千曲川公園」は、美しく紅葉した木々の下で休憩するのにピッタリなスポット。
車が行き交う国道沿いに位置するため、自転車だからこそアクセスしやすい公園です。
毎年、桜やもみじの木などが見事に色付くので、設置されたベンチに座って青空と紅葉のコントラストを眺めながらのんびりするのがおすすめ。

休憩のお供には、先ほど購入した生チョコとコーヒーを。生チョコはテイクアウト用に梱包されているので持ち運びが可能です。
茅ヶ崎ビーンズ工房のコーヒーと、口溶けのいい生チョコは相性抜群。
ホッと一息付いたので、サイクリング再開です!
10:30 国道117号桜並木を走行

千曲川公園を後にして、千曲川西岸の国道117号を北上。
ここから往路の目的地である「いいやま湯滝温泉」まで、千曲川と並走するようにサイクリングコースは続いて行きます。
紅葉の見どころは、道沿いの桜並木と周囲の山々。赤、オレンジ、黄色など彩り豊かな景色が目の前に広がります。自転車から見る雄大な山々の紅葉は、よりダイナミックに感じることでしょう。

ペダルをグンっと漕げば、車や徒歩では味わえないような爽快感!
カーブもアップダウンもなく見通しが良い道なので、開放的な気分で気持ち良く走れます。
国道は交通量が多いですが、歩道部分が「自転車歩行者用道路」になっているので安心してサイクリングを楽しめるのも嬉しいポイントです。
10:40 道の駅「花の駅 千曲川」に立ち寄り

国道117号沿いに位置する道の駅 「花の駅 千曲川」へ。
お手洗いを済ませたり、マップを見ながら情報収集するならこちらで!
旬の美味しいものを集めた農産物直売所やcafé里わをはじめ、観光情報コーナー、ビジターセンター、モンベル飯山店を併設。旅先の立ち寄りどころとしての設備が充実しています。


ここでは補給用のドリンクを購入。ついでに食欲の秋ということで、ソフトクリームもいただきます! ご当地ソフトの「スノーキャロット」だけでなく、季節限定で登場するフレーバーも要チェック。
11:15 国道117号沿いの東屋

道の駅「花の駅 千曲川」から北に850mほど進むと、桜並木の間に東屋が現れます。
自転車を停めて、大きく深呼吸がしたくなるような清々しい景色を堪能するならこちらで!

視界には、北信濃のシンボル「高社山」(こうしゃさん) をはじめとする雄大な山々と、青く晴れ渡った空が広がります。素晴らしい眺望に心が洗われることでしょう。
また、反対側には長野と新潟県境に連なる「関田山脈」(せきださんみゃく) のおだやかな山並みを望むことができます。
11:40 戸狩工業団地横の堤防道路へ

国道117号沿い「上野チェーン着脱場」を過ぎ、左手の脇道へ。
ゆるやかにカーブを曲がり坂道を下り終えたところで、戸狩工業団地横の堤防に入ります。
すると、これまで遠くに見えていた「関田山脈」と「戸狩温泉スキー場」が眼前に!
山一体が秋色に染まるのは、10月下旬から11月中旬頃。山頂からふもとにかけて、美しい紅葉のグラデーションが楽しめます。
視界を遮るものがない堤防道路はとても走りやすく、のんびりマイペースに走るも良し、風を切って爽快に走るも良し、です。
11:50 県道408号沿いを走行

堤防道路を抜け、県道408号へ。
川をはさんで国道117号とほぼ並行し、千曲川とJR飯山線の線路に沿って走行します。
これまで通ってきた道路より道幅が少し狭くなるので車にご注意を。紅葉の山々を背景に、水色の大きな「湯滝橋」が見えたら、目的地まではあと少し!
12:00 いいやま湯滝温泉に到着

今回の目的地「いいやま湯滝温泉」に到着!
スタート地点の飯山駅からおよそ13kmの道のり。全体的に平坦で走りやすい上、基本的に千曲川に沿って進むだけなので、道に迷う心配もありません。サイクリング初心者でも安心して楽しめるルートです。


さぁ、温泉で心身ともにリフレッシュ!
こちらには、千曲川を望む内湯と開放的な露天風呂の2つの浴室があります。
秋風の中でのサイクリングは実に爽快ですが、末端の手や足が冷えてしまいがち。お肌にやさしい「アルカリ性単純温泉」のお湯に浸かって、身体の芯から温まりましょう。湯上がりには牛乳で乾杯!

ランチは、併設する食事処でいただきます。
定食や麺類などバラエティ豊かなメニューが揃い、希少なブランド豚「北信州みゆきポーク」を使った料理や飯山産のお米、地酒など、地元の味を楽しめるのも魅力です。
おすすめの「みゆきポークしょうが焼き定食」は、特製ダレがお肉本来の旨味と甘味を引き立て、ご飯が進むこと間違いなし。
14:45 いいやま湯滝温泉を出発して上境駅へ

ここからは復路です。
帰りはJR飯山線に乗り、レンタサイクルを返却するため飯山駅へと戻ります。
いいやま湯滝温泉の最寄駅は「上境駅」で徒歩約5分と近場ですが、列車に乗り遅れないよう時間に余裕を持って出発を。ホームは入って左側、無人駅なので改札等はありません。
15:02 上境駅より飯山線に乗車

列車がホームに入ってきたら、車体にあるボタンを押して列車に乗車。
乗車後、整理券を忘れずに取り、車内または下車した駅の改札で精算します。
E-bikeの車体はアシスト機構やバッテリーなどの部品が搭載されているため、一般的な自転車よりも重さを感じます。自転車の積み下ろしの際には慌てず、周囲に十分注意して行うようにしましょう。


また、列車内では他のお客さんの迷惑にならないよう自転車の転倒防止に努め、必ず車体に手を掛けながらの乗車をお忘れなく。
あとは、車窓からの景色をのんびりと眺めて乗っているだけ! あっという間に飯山駅まで列車が運んでくれます。
ちなみに進行方向左側からの眺めが良く、上境〜戸狩野沢温泉駅までは眼下に千曲川の風景、そして戸狩野沢温泉〜信濃平駅までは美しい里山風景が広がっています。
15:53 飯山駅に到着

飯山駅のホームに到着後、自転車とともにエレベーターを使用して改札口、そして信越自然郷アクティビティセンターへと移動するのをおすすめします。基本的に駅構内、ホームでは自転車に乗ることはできませんのでご注意を。
飯山駅1階のアクティビティーセンターに着いたら自転車を返却。
これにてサイクリング終了です。お疲れさまでした!

澄んだ空がどこまでも広く感じる秋の爽やかなサイクリング。
自転車を使うことで、自分の見たい場所で立ち止まったり、写真を撮ったり、寄り道をしてみたりと、自由に楽しめるのも魅力の一つ。紅葉も五感でより深く楽しめること間違いなしです。
また、合わせてサイクルトレインプランを活用することで、体力的な負担を軽減しながらより遠くに足を伸ばすことができるので、サイクリングの楽しみ方の幅がグンと広がります。ぜひ一度、チャレンジして見てくださいね。
◎サイクルトレインを活用する際に大事なチェックポイント
①サイクリングルートをチェック
目的地を定めずにあてもなく自転車に乗ると、うまく列車を活用できなくなる可能性があります。事前に「目的地」と「乗車予定の駅」を決めてルートを調べておきましょう。
②乗車予定駅と発車時刻をチェック
サイクルトレインは全ての列車が対象ではありません。乗車可能列車の「乗車予定駅」と「出発時間」はあらかじめ確認しておきましょう。
③グルメクーポン提携店をチェック
クーポンを利用できる店舗は限られています。お店の定休日も事前にご確認を。プラン体験当日のみ有効でお釣りは出ません。
※詳しくは信越自然郷アクティビティセンターのWEBページからご確認ください。
それでは、よい週末を!
| お問い合わせ | 信越自然郷アクティビティセンター |
| 電話 | 0269-62-7001 |
| 公式WEBサイト | https://shinetsu-activity.jp/ |
〈フォトギャラリー〉








執筆:くわはら えりこ
撮影:太田 孝則
記事公開日:2025年12月11日