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戸狩温泉

採る!食べる!買う!いいやまで楽しむ山菜ガイド

採る!食べる!買う!いいやまで楽しむ山菜ガイド

長い冬が終わり、雪が解けはじめた頃に顔を出す山の恵みといえば「山菜」。

フキノトウ、ワラビ、ウド、タラの芽、ネマガリダケなどなど……
春から初夏まで、限られた期間にしか味わうことのできない山菜は、まさに自然からの贈り物。毎年、この季節を楽しみにしている人も多いことでしょう。

特に豪雪地帯の山菜は、雪解け水の影響でアクが少なく、柔らかくて美味しいと評判ですが、日本有数の豪雪地帯であるここ飯山市も、春になると山菜の宝庫です。

今回は、そんな山菜に注目!「採る」「食べる」「買う」という3つのキーワードにわけて、飯山市での山菜の楽しみ方をご紹介します。

目次

飯山で、山菜を「採る」なら

基本的に山菜採りなどで山に入る場合は、必ず地権者から入山および採取の許可を得ないといけないのがルールです。無許可で森林に立ち入って山菜を採ることは法律で禁止されています。

そんななか、気軽に山菜採りが楽しめるスポットとしておすすめしたいのが「スキー場」。飯山市では「斑尾高原スキー場」と「戸狩温泉スキー場」のゲレンデ内で山菜採りが許可されています。どちらも有料で受付が必要になりますが、未経験の方でも山菜採りに挑戦しやすい気軽さが魅力です。

⚫︎斑尾高原スキー場

標高約1,000m、ゲレンデのコース内で時期によってさまざまな山菜が採れます。
駐車場は斑尾高原ホテル、レストランハイジ、レストランチロル前の登山口が利用可能です。

今回、斑尾高原スキー場では、市内の飲食店『六兵衛』の店主であり、山菜の名人でもある木内さんにご協力いただき、山菜狩りを行いました。

斑尾高原ホテルのフロントで受付を行います
受付時にもらえる「山菜狩りエリアマップ」
採取の際は受付で発行される入場券を必ず所持して行動しましょう
スキー場ならではの開放的な景色のなか、山菜採りを楽しめます
草丈が大きくなっても脇芽が狙い目だという「シシウド」。独特の苦味があります
珍しい「オオナルコユリ」を発見!自然な甘みがありアスパラに似た味わい
北信濃の初夏の味といえば「ネマガリダケ」
取材時(2025年6月10日)には、13種類もの山菜を収穫することができました
営業期間5月上旬〜7月
営業時間9:00-16:00
場所斑尾高原スキー場内
料金1,000円/人
採取可能量10kgまで
受付場所斑尾高原ホテルフロント
お問い合わせお問い合わせ
0269-64-3311
WEBサイトhttps://www.madarao.jp/activities/8924

⚫︎戸狩温泉スキー場

雪で覆われていたゲレンデは春になると「天空のわらび園」に変わります。
わらびのほか、時期によっては「タラの芽」「こごみ」「ふきのとう」「山ウド」などの採取も可能です。

戸狩観光協会前に無人の受付が設置されています
ゲレンデに入る前に入金箱に「入山料」を納めます
腕章になっている「入山証」を装着し、わらび専用袋を持ちます
掲示されている「わらび狩り入山マップ」で採取可能なエリアを確認しましょう
ゲレンデ上部まで車で上がることができます。車一台分が通れるように車道脇に駐車。駐車スペースには目印となる「P」の看板が設置されています
ゲレンデの中を歩きながら周りの景色を楽しみつつ、わらびを探します
わらびを発見!基本的に3kgまで採取可能です
下山後は入山証を元に戻し、入金箱の隣に設置されている計量器で採ったわらびの量を計りましょう
営業期間5月中旬〜6月中旬頃
営業時間8:00-15:00
場所戸狩温泉スキー場ペガサスゲレンデ
入山料1,500円/人
採取可能量3kgまで(それ以上場合は、追加料金=1kg毎に別途300円プラス)
受付場所戸狩観光協会前(星降るレストラン入口)
お問い合わせ戸狩温泉スキー場
0269-65-2359
WEBサイトhttps://togari.jp/summer/warabi/

⚫︎山菜を採るときは・・・

〈服装や持ち物〉
・長袖、長ズボン
・トレッキングシューズや長靴
・採取した山菜のお持ち帰り用の袋 ※
・軍手
・日よけの帽子
・クマ対策の鈴など

※戸狩温泉スキー場の天空のわらび園には、わらび専用袋が設置されています

〈基本的なルール〉
①食べられるものを採る
山菜に似た毒草もあるため、山菜の種類は必ず事前に調べておくことがベター。自分で確実に見分けができる山菜以外は採取しないこと。決して欲張らず、必要な分だけ採ることを心がけましょう。

参考:長野県WEBサイト

②自然への配慮を忘れない
来シーズンも山菜採りを楽しめるよう、根こそぎ採るのはNG。脇芽を残したり、あちこちから少しずつ間引いて採ることがマナーです。

③周囲に注意しながら採取を
山菜類は、クマにとっても重要な食べ物。山菜のある場所にはクマがいる可能性があるため、熊よけの鈴やラジオなど音の出るものを身に付けて行動しましょう。

④山の環境を守ること
飲み物のペットボトルやお菓子の包装など、持ち込んだものはすべて持ち帰るのが基本です。自然を汚さないようにしましょう。

自然を敬い、ルールを守って安全に山菜採りを楽しみましょう。


飯山で、山菜を「食べる」なら

春は、冬の間に身体に溜まった余分なものを体外に排出し、刺激を与えて活動への準備を始めるために、苦味のある山菜や野草、春野菜を食べることが効果的とされています。

また、山菜は栄養価が高く、食物繊維やビタミンを豊富に含んでいるので、健康的な食生活にも適しているのです。旬の山の恵みを取り入れて、心も身体も元気になりましょう。

⚫︎雪と寺のまちDining 六兵衛

「火口(ぼくち)そば」や「笹寿司」をはじめ、飯山市の郷土料理を中心に提供する六兵衛。
飯山出身の店主・木内 浩さんが、自ら山に入って採取してきた山菜やきのこなど、地元食材を活かした料理を楽しめます。

数量限定の「旬菜大海老天ざる」は、大きな海老天とともに旬菜が乗ったボリューム満点の一品。5月のとある日には、「こしあぶら」「こごみ」「ふきのとう」「ししうど」といった山菜に加え、地物野菜「雪下にんじん」も添えられていました。

この地域ならではの食を気軽に楽しみたい!という方におすすめのお店です。

住所飯山市南町32-5
電話番号0269-62-4359
営業時間ランチ11:30-14:00、ディナー17:00-21:00
定休日不定休

⚫︎旬菜料理 はたの

築150年の古民家をリノベーションした会席料理のお店。

店主・羽多野 隆三さんが採った新鮮な山菜や川魚をなど、地元の上質な食材をふんだんに使った料理を楽しめます。完全予約制のコース料理なので、一品一品ゆっくりと堪能したい方におすすめ。

写真の一例はお昼限定のコースで、こしあぶらを散らした根曲がりだけの炊き込みご飯。季節の旬菜を豊富に取り入れているため、料理の内容は季節や日によってのお楽しみです。

住所飯山市大字旭644
電話番号0269-67-0393
定休日不定休(完全予約制)
WEBサイトhttps://kominka-washoku.com/


飯山で、山菜を「買う」なら

旬の山菜を手に入れるなら産直市場へ行きましょう!

ハイシーズンになると、地元飯山や周辺市町村の農家さんたちが採ってきた新鮮な山菜がズラリと並びます。場合によっては、午前中に売れ切れてしまうこともあるため、最も品揃えが豊富である開店から12時までの間が狙い目です。

⚫︎いいやま ぶなの駅

併設する直売所では、飯山産だけでなく、北信州地域の農家さんも出品しています。 
また、飯山中央市場の協力により、日本・世界の特産品も取り揃えているので、思わぬ発見があるかも!

四季折々に合わせて、季節イベントも開催しているので山菜シーズンも要チェック。

住所飯山市大字静間1487
営業時間9:00-18:00
電話番号0269-81-2831
定休日無休
WEBサイトhttps://iiyama-buna.com/

⚫︎道の駅「花の駅 千曲川」

国道117号線沿いに佇む道の駅では、JAながのによる「農産物直売所千曲川」が併設。
地元飯山をはじめ、周辺地域の農家さんが採った新鮮な山菜が毎年たくさん並びます。

お土産に人気な「山菜Tシャツ」などの個性的なグッズも販売しているので、ぜひこちらにもご注目を。

住所飯山市大字常盤7425
営業時間8:00-17:00
電話番号0269-62-1887
定休日夏季無休、1〜3⽉毎週⽊曜⽇
WEBサイトhttps://www.chikumagawa.net/


今週末は飯山で「山菜」を楽しんでみませんか?

あなたにぴったりの山菜の楽しみ方は見つかりましたか?

山菜は、日本で古くから春の訪れを告げる風物詩として親しまれてきた伝統的な食文化です。
自然環境に配慮し、山の恵みとして感謝しながら、次世代にもその恩恵のバトンを繋げていきたいですね。

山菜を、採りたい人も、食べたい人も、買いたい人も、雪国飯山の自然が育んだ美味しい山菜を求めて、春の息吹を感じにぜひお出かけください。

では、よい週末を〜!

〈フォトギャラリー〉

執筆:くわはら えりこ
撮影:太田 孝則(メイン画像、斑尾高原スキー場、フォトギャラリー)
信州いいやま観光局(戸狩温泉スキー場、「食べる」、「買う」)
協力:木内 浩/雪と寺のまちDining 六兵衛

記事公開日:2025年8月28日

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