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新潟県と長野県の県境、飯山市の最も北に位置する、温井(ぬくい)集落。一見、あたたかそ~うな名前ですが、雪国飯山のなかでも、特に雪深く、市内でも屈指の豪雪エリアです。
温井集落といえば、鍋倉山での雪遊びの起点としても知られているほか、飯山市のお土産品としても人気のある 冬の手仕事「わら細工」など、冬のイメージ をお持ちの方が多いと思いますが・・・
実は、地元では有名な『スイカの名産地』で知られているのは、ご存知でしょうか?
数年前まで、毎年8月のお盆の時期には、温井集落にある農産物直売所「ぬくい自由きままな仲間市」で「温井スイカ祭り」が行われていました。温井産の美味しいスイカ100個が、な、なんと30分ほどで売り切れてしまうほどの人気っぷり!
ここ数年は、山の日の8月11日にいいやま ぶなの駅で温井スイカの直売会が開催されています。こちらも大人気です。
さて、今回は温井のスイカの “美味しい理由” を探るため、生産者の方にお話をお伺いしました。
※2020年取材
スイカ作り40年のベテラン、高橋東幸さん
御年84歳(!)(2020年取材時)、温井集落で10人ほどいるスイカ生産者のなかのお一人です。
温井集落は、標高約530メートル。朝晩は寒く(夜には霧も発生!)、日中は暑くなるという寒暖差が大きいことで養分を蓄え、スイカの甘みが増します。「糖度は12~13度くらいかな。今年は、長雨の影響があるかもしれないけど、毎年甘くてシャキシャキしてるからうんまいよ。」と高橋さん。
栽培するスイカの品種は「紅大(こうだい)」。1本の苗につき、2玉つくように手入れをし、育てていきます。紅大は、元々甘くて大きいのが特徴。通常であれば、1本の苗から何玉でも育ちますが、ある程度摘果し、2玉に絞ることで、「より甘く」そして「より大きく」なるんだとか。
自然豊かな環境で栽培していることから、クマ・ハクビシン・カラスなどの野生鳥獣に狙わてしまうことも!畑の周りには、「電気柵」や「ネット」、「鳥よけカイト」など、大事なスイカたちを守るために数々の対策が施され、大切に、手間暇かけて育てられているのです。(鳥獣たちも美味しいものが分かるんですね~。)
畑にゴロゴロしている大玉スイカたちを見て、興味本位で「持ち上げてみた~い!」と思ってしまった筆者。
「持ってみてもいいですかー? よいしょ・・・・えいっ、ん?あれ???」
まったく持ち上がらない…!
(これは、、、無理するとギックリ腰になるやつ…)
「生産者が高齢の方が多く、それだけスイカが大きくて重いと収穫も大変なんだよね。」と話すのは、温井スイカ祭りを主催する『温井村づくり委員会』の村山由美子さん。年々、生産者が高齢化していることと、後継者がいないことが悩みでもあるそう。(後継者募集中とのこと!)
村山さん「大きくて食べきれないって声もある。でも、小さいの作って、って言っても作れないんだもん。笑」
2025年も、山の日である8月11日(月・祝)に、「いいやま ぶなの駅」にて温井スイカの生産者直売会が開催されます!
当日は、9:00から整理券を配布し、販売は10:00から開始予定です。
※なくなり次第終了となります。
手間ひまかけて大切に育てられた「温井のスイカ」を、ぜひこの機会にお買い求めください。
◎いいやまぶなの駅
長野県飯山市静間1487
電話:0269-67-0886
公式HP
記事公開日:2020年8月
記事更新日:2025年8月4日